インフレ率って?

物価の話になると「インフレ率」という言葉を耳にしますが、インフレ率とは「インフレによって過去に比べてどのくらい物価が上がったのか」ということです。去年よりインフレ率の数値が大きくなっていれば、物価が高くなりインフレが進んでいるということですし、数値が小さくなっていれば物価が下がってデフレの方向へ行っている、ということですね。去年と同じだったらインフレ率は0という事になります。

そもそもインフレとは?簡単に言うと物価が上がることですね。たとえば景気が良くなるとみんなの消費意欲も増します。多少高くても欲しいものを手に入れたいという人が増えるので、モノの値段が上がります。去年1000円で買った商品が1100円になっていても、売れるという事です。同じ商品なのに今回は1100円出さないと買えない、という事は、結局モノの価値が上がりお金の価値が下がったことになります。

1986年ごろから1991年ごろまで続いたいわゆるバブル期には土地の値段が急激に上がったことがあります。昨年までの土地の値段が2倍になった、という事もあったようです。もっともこんなに極端なインフレは「ハイパーインフレ」と言われ、異常な状態です。こんなことが長続きするわけはありません。バブルは崩壊し、今度は物価が急落してしまうのです。高く転売して儲けようと思って土地を買った人は、軒並み大きな負債を抱えたという事です。

インフレの原因となる要素のひとつは、戦争やバブルのような異常な景気の状況です。極端な需要に供給が追い付かず、モノの値段がどんどん高くなることがあります。第一次・第二次世界大戦の際には、物資が不足しても製造ができず、世界各国で同じようなインフレが起こっています。

もうひとつは、景気を刺激するために意図的にやった金融政策のタイミングなどの調整の失敗で、インフレが進んでしまう事があります。アメリカでは2000年〜2003年のころ、ITバブル崩壊による景気後退の対処策として、政策的に住宅ローンの金利を引き下げたところ、未曾有の住宅投資・建設投資ブームを招き、住宅バブルを引き起こしてしまった事があります。また、通貨の価値が下落してしまうとインフレを引き起こすことがあります。例えば日本だったら円安になると、1ドル=100円だったものが200円でなければ買えないような状況です。製造業で言ったら輸入に頼る原料や材料が高くなり、その結果商品が値上がりします。

このようにインフレ率とは物価上昇率と同義語と言えるでしょう。例えば昨年100円で買えたものが今年110円でなければ買えないとしたら、そのインフレ率は10%という事になります。一般的に良好な経済成長のためには、数パーセントのインフレ率をキープすることが良いと言われています。

2012年に安倍内閣が誕生した時に、安倍首相は就任後の所信表明演説で、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」で日本のバブル崩壊後の経済の停滞、20年にわたるデフレ状態を抜け出すという政策を発表しました。いわゆるアベノミクスです。そのなかの「大胆な金融政策」の中にその他の先進国と同じように、「インフレ率を2%に」という目標値を設定しました。

で、現在はどうなっているかというと、2013年にはインフレ率は1.44%となり、2%にはまだ達していないものの、デフレからインフレに転換させることに成功したと言われています。しかし、一般の国民にとっては給料が増えるなど具体的ではっきりした景気の好調はあまり感じられないとも言われています。まして2014年4月からは消費税が8%ですから。